花火情報館



花火の最も重要な部品。それは「星」と言っても過言ではないでしょう。花火が開花したときにその花弁を表すものですが、その構造、製造方法などは非常にデリケートです。 花火が上空で爆発したときの衝撃にも耐えないといけませんし、玉から飛び出す時の速度によって、爆発でもらった火を消すわけにもいきません。また、花火の色は当然 この星の色で決まります。それゆえ花火師はこの星に 他のどんな部品以上に情熱を傾けますし、自分の全勢力をそそぎます。
その星は製造方法の違いによって幾つかの種類に分けられます。現在はあまり使用されない種類もありますが、簡単に説明します。




この星は現在、日本で行われている一般的な星掛け方法で作成されます。また、この星が日本の花火を支えていることになります。 粟や菜種の実、石膏の粒などの非常に小さい粒を星の芯として用います。これらをコンクリートを混ぜるのに使用するミキサー状の 星掛け機(大きなたらいが回転するようなもの)に計量して入れ、水分(水と配合薬1を混ぜてあり、配合薬にはノリも入っている=トロと呼ばれる) と配合薬1を交互に加えていきます。芯に水分が付着し、その後配合薬1が加わるので芯は徐々に大きくなります。

これを繰り返す事で星を大きくしていく訳ですが、一度に大きくしてしまいますと乾燥がうまくいきませんので、2回から3回で機械を止めて 乾燥します。乾燥は良い天気の場合で3時間くらい必要になりますので、仕事ははかどりません。

ある一定の大きさまでしたところで、もし色を変えたい場合は配合薬1から配合薬2に変えてやる訳です。ただ変えるだけでは配合薬1と配合薬2の 燃焼温度が異なるために、燃焼が途切れてしまう 事があります。この辺は花火師の腕の見せ所でいろいろ工夫しているようです。
配合薬2を何度が掛けて、最後に火の付きやすいように配合薬3(図にはありません) を若干掛けて乾燥して完成となります。配合薬1が青、配合薬2が紅(赤)で星を構成すると、花火は上空で紅の火をひいてから青の火に変化する 事になります。これを紅青ボタンといいます。

星掛けは「気温」「湿度」「星掛け機の速度」「星の量」「トロの具合」等の条件により、影響されやすく花火師の感に依るところが大きい作業です。 この星の出来、不出来が花火の質を大きく左右することになります。 星の大きさは3号用で約10mm、5号で約14mm、10号で約20mmくらいです。





掛け星が実施される以前、盛んに用いられた星です。現在も全然使用されない訳ではありませんが極僅かであると思います。
湿らせた火薬をよくこねて(うどんをこねるよりも固めに)厚板状に固めます(木の型に入れて作る)。それを定規を用いて正確なサイコロ大に 切断し乾燥させて作ります。金属粉の多く入った火薬や掛け星の芯用に作成されます。
この星はお分かりの通り、星一つで変色させる事ができません。また、形が球形でないので燃焼が均一にならないというデメリットがあります。







作り方は左の図のようなパイプ状のメス型に湿らせた火薬を入れて、オス型を押し込み木 ハンマー等で圧力を加え、円筒状に作ります。
オス型、メス型の大きさで星の大きさを変化させる事はできますが、燃焼したときの色を変化させることはできません。普通の星よりも 大き目(3号で20mmくらい)に作成し、上空で太い花弁を描く「ヤシ」とよばれる花火の星によく使用されます。

諸外国の花火の星はこの星がほとんどです。日本の星掛けよりも技術も労力も少なくて済み、大量生産 もできますが、やはり変色はできません。また、日本の花火のようにパッパッと上空で変化したり消えたりしません。
打ち星用のメス型がたくさん並んだ型と相対するオス型をプレス機に取り付けて作ります。掛け星に比較して均一さに欠け、燃焼が 安定しないというデメリットもあります。









左の図は切り星を芯にして星掛けを施して作成したものです。切り星を芯に使用すると効率が良いのですが、やはり火の付きや火切れが悪くなるようです。



この項終わり。



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