花火工場へやってきました。普通はあんまりお目にかかれない所です。花火工場はたいてい人里離れた山の中や、森の中が多いものです。今日見学する工場も埼玉県秩父市の賑やかな所から少し離れた所にあります。チョット恐いけど、見せてもらいましょう。ただ、皆さんよろしいですか?たばこやライター、火の気は厳禁ですよ。くれぐれもお願いします。



事務所によって工場内に入ると、目の前がパッと開けました。真中の広い所を挟んで周りに色々な建物が立っています。花火工場は仕事を行なう部屋(作業工室と呼ばれる)が安全の為に、ある距離(保安距離)を隔てて立ててあるのです。万一爆発事故等が発生した場合に、他の作業工室に影響が無いように法律で決まっています。もちろん、花火工場の外の一般の民家からの距離も決まっています。ですから花火工場はすごく広い土地が無いと出来ない訳になります。

「法律に決まっている。」と書きましたが、その法律は 「火薬類取締法」 と言いまして、火薬の製造や保管、運搬、消費などについて細かく取り決めてあります。特に火薬類による災害の防止と公共の安全を強くうたっている厳しい法律です。ですから 花火工場で災害が発生しても一般の民家に被害を与えないように考えられています。ただ、今は昔と違い花火工場の周りにも随分家が立ってきているようです。民家ができて保安距離が短くなると、花火工場で扱える火薬の量が減少する事になります。

また花火工場は、掃除が行き届ききれいになっています。花火工場の基本は「掃除」にあります。もちろん見た目の奇麗さではなく、火薬を見る目で見た奇麗さなのです。工場ではほんの小さな火から、大きな事故に発展してしまいますので細心の注意を払う訳です。火薬で汚れた時はもちろん、朝晩そして仕事の区切りのついた時、時間のできた時に徹底的に掃除をします。普通考えるとチョット異常な位に。花火を作る人が掃除もするのですが、皆さん当たり前のように掃除をしています。自分の命を守る訳ですから、当然といえば当然です。またこの工場は人の歩く所は全てコンクリート敷きの通路になっています。これは出来るだけ小石や砂などを、人の歩く所に持ち込まない為で、小石や砂などによる接触による火花の発生を押さえている訳です。




工場の中でも大きい方の建物ですが、この中に花火を打ち上げる筒が一杯に入っています。その数なんと20,000本以上。サイズも色々ありますが、こんなに沢山の打上筒が必要なのです。近頃の花火大会は連続でドンドン打ち上げる方法(スターマイン)が主流になっており、また安全の為の遠隔操作による点火(電気点火)を行なう事でどうしても必要になります。大きい花火大会では一度に5,000本もの筒を使用する場合もあります。



打上筒は、写真のステンレスの他に鉄製の物、紙製の物、プラスティックの物等がありますが、強度や軽さに優れたステンレス製の物が主流になっています。大昔は一本の木をくり貫きその周りに、竹を帯状にしたもので巻いたものを使用しました。その後主流は鉄筒に移り長い間使用しましたが、近年ステンレスになっています。ステンレスは鉄よりも強度が高く、その分軽く作る事ができますし、耐水性に優れ錆もしりません。しかし若干価格が高めになります。紙筒は軽い、安いという利点はありますが寿命が短く水に弱いという弱点があります。新しいものでプラスティックがありますが、軽くて強度もそこそこ有り安いものが出始めているようです。

花火の打上筒は一度使用すると、必ず水洗いを行い乾燥し次の花火大会にそなえます。それまで、写真の様なきれいな倉庫で休んでいるのです。花火工場では、打上筒は花火玉の次に良い待遇を受けているのです。



大きい筒がありました。これは20号玉(俗に2尺玉と呼ばれるもの)の筒です。筒の直径約60cm、高さ約3m、重さ約300kg(計った事がありませんので推測です)もあるのです。 どーにして設置や打ち上げをおこなうか?というと、筒を動かすにも玉を動かすにもクレーンを使います。クレーンで筒を釣り下げ倒れない様に設置し、一人の打上従事者が同じくクレーンで吊られ筒の中におろされます。筒の中でその人は、打上火薬を丁寧に筒の底にまいてくるのです。考えただけで恐ろしくなります。その後2尺玉をクレーンで吊って ゆっくり筒の中におろしていく訳です。もちろん中にいた人が出てから・・・・。もっと大きい筒(3尺、4尺)もあるのです。







後半は花火工場の心臓部「火薬庫」、これからおもしろくなります。
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