花火情報館




秩父夜祭現場
花火はアツーイ夏の風物詩ですが、寒い中で見る花火の色はほんとうに新鮮です。去る12月2日、3日に実施された埼玉県秩父市の「秩父夜祭り」 の花火打上現場に潜入(打上従事者 として)した模様をお送りします。


「集合」 3日の朝10時頃の現場写真です。この花火大会は昔から秩父市1社、周辺町村4社の花火業者が共同して実施しています。この位の時間に なると花火を積載したトラックで続々と集まってきます。2日は強風注意報が出て花火は延期になってしまいました。今日は天気は写真の ように良いのですが、まだ強風注意報は解除されていませんし、冷たい強い風が吹いています。夕方には止むのが毎年の事です。
この現場は秩父市を見下ろす、ひつじ山公園という所で夜景や春の桜の名所として秩父の名所の一つです。この公園すべてを使い幅100m くらいに打上花火をセットします。仕掛け花火は秩父市に面する側に設置することになります。




打上花火の設置は「花火打上現場潜入レポート・97夏」で解説してありますので、ここでは省略します。仕掛け花火がありますので、簡単に説明して みましょう。ここの仕掛け花火はだいたい高さが10m、幅10m位のものです。結構大きいものですので、工場で作ってそれを一度ばらして運搬する 事になります。一辺が2m位の枠単位になる訳です。それを現場で再度組み立てる事になるんですが、右の写真がその時のものです。

それらの枠をならべて縄で縛り、速火線を呼ばれる導火線でそれぞれの枠のランスという色火を出すものを結線します。この時に結線がもれますと 仕掛けの一部だけ火が回らないという失態を演じる事になります。
写真には寒さが写りませんが、風が強くてほんとに寒いんです。夏の暑いのも大変ですが寒いのも厳しいものです。市街地の方からは聞きなれた秩父屋台ばやし が風に乗って届きます。従事者の挨拶は「(寒くて)夜祭りらしくなってきたね。これなら夕方風が止むから大丈夫。」というものでした。

結線ができると、今度はやぐらへの取り付けになります。やはり縄で取り付ける事になりますが、火のでるランスの位置を確認して縛らないと途中で落ちて しまう事も頭に入れて作業を進めます。
やぐらの向こうに見える市街地が秩父市です。人口6万人の町で織物やセメントの有名な所です。人口6万人ですが、12月3日だけは20万人になるんです。 それはもうすごい人出で、にぎやかな所(山車の周り)では自分の思った方向には進めないくらいです。 秩父夜祭りは1台が20tもある山車を秩父市内を引き回す迫力と熱気の祭りです。山車に乗った里の神が1年に1度12月3日に山の女神に会いに行く。 というストーリーという事でした。その行き先であるお旅所(市役所公園)の手前にすごい急坂があり、20tの山車が見事上りきれば翌年は安泰の年になる。 上り切ると花火が一斉に打ちあがる。こんな祭りです。ちなみに今までに上れなかった山車は一台もなかったそうです。




なんだかわからない写真ですが、これは夏の花火大会ではみんなから敬遠される「焼金」を焼いている所です。全員が炭火の周りに集まります。夕食を食べたり 他の会社の早打ちや花火を見られる時間です。「oooさんの芯は良くなったね。」とか「xxxさんの所は焼金をチェーンに変えたね。」とかになります。
予想通りに風も止み、県の立ち入り検査も無事終了。花火師達は頭の中で今日の作業の最後のチェックをしています。町の中は山車がお度所に向けて動きだし、 こちらもクライマックスに突入です。




本番がスタートしました。花火の打上げが始まれば「寒い」なんて言っていられませんし、寒いという感じがありません。上の左の写真はスターマインが打ちあがって いる所ですが(真ん中の煙が立ち上っている所で打ちあがっている)、このスターマインは少し火の粉が多く落ちました。手前の黄色いシートは隣のスターマインになります。
右の写真はご存知「ナイアガラの滝」です。下の芝が枯れていますのですぐに火がつきます。従事者が消している所です。




秩父夜祭りも無事終わりました。これで秩父も冬本番です。



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