真夏の現場(1)
花火打上げ現場は一般にはなかなか見学する事ができません。特に近年では、花火打ち揚げ従事者以外は立ち入り禁止となっています。 打上げ時はもちろんの事、花火準備中でも入れないのが現実です。ある花火現場では、現場に花火が到着した時から30名ものガードマンが 保安距離内に人が入らない様に見張り、主催者でも単独では入れない様になっています。昔はそんなに厳しくなかったんですけどね。
そんな事情もありますので、このページでは普段あまり見る事のできない花火打上げ現場レポートをしたいと思います。ある花火大会に 打ち揚げ従事者として参加した時に、時間を見つけて撮った写真(デジタルカメラで撮った)を中心に説明を加えてみました。



現場に到着すると、すこし休んで早速作業に取り掛かります。この現場は小さな沼の周りを巡る道路に、花火の設置ができる比較的楽な現場 です。トラックから花火の筒を降ろすと、その場で設置ができるからです。 また、いつも心配の種である天気も良さそうです。でも夕立があるかもしれないとの天気予報です。電気点火もあるので要注意です。 今日のメンバーはいつもの従事者約15名で、全員気心の知れた連中です。ベテランが3分の2、若手3分の1という感じでしょうか。まあ、 なにはともあれ作業開始です。 ここは10号と7号が打上げる事ができます。大玉は全部で100発ほどですが、点火時間の関係と、電気点火で点火する為に玉の数だけ、 筒を立てます。大きい筒の場合は、点火の時間のやりくりさえ上手くいけば、1本の筒を2回使用する事もあります。 ガッシリした、筒を固定する「やぐら」を鉄パイプで組み、それに筒を固定していきます。隣の筒が発射された時に、筒が傾いたりしない 様に頑固に固定します。筒が垂直に立っているかの確認も非常に重要です。少しでも傾いていると、花火玉が真上に飛んでいかないから大変な 事になります。


筒の設置ができたら、玉を筒に設定します。打ち上げ火薬を直接入れて玉をいれる事もありますが、今回は花火玉に打ち上げ火薬がすでに 取り付けてあるので、筒にいれるだけです。近頃はできるだけ、火薬の部分を外に出さない工夫をしています。筒の中を良く確認して 玉をそーと降ろします。10号玉にもなりますとかなりの重さです。



スターマインは約20台あります。あまり大きいものではありませんが、2.5号から5号までのスターマインです。スターマイン現場も アスファルトの道路なので、整地の心配がありません。打ち揚げ従事者にはほんとに良い現場です。スターマインも工場で9割位は作って あるので筒の入った「筒枠」を並べて筒固定ベルトで締めていくだけです。

1台のスターマインは、幾つかのブロックに別れているのでそれぞれを「速火線」と呼ばれる、導火線で接続します。これで1度火を点火 するとスターマインのそれぞれの筒から順次打ちあがっていく訳です。この接続をおろそかにすると途中で火が切れる事があり、予定通り の演出が出来ない事になります。この後、防火と防水処理を施しスターマインの設置が終了となります。



花火は夏の仕事ですので、体力勝負の所もあります。休憩も大事な要素です。まず体温を下げる事、そして水分補給を確実におこなう事が 重要です。人間の体は案外簡単に「熱射病」や「熱中症」になってしまいます。気分が悪くなったり頭が痛くなった時は危険信号と考えて すぐに休むようにすべきです。この現場は写真の様に日陰がありますが、河川敷や台船の上などでは必ずテントなどで日陰を作っておくべ きなのです。



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